第2回

  • 更新日 : 2018/04/04

Hako-News.第2回はリュッケフロントの各地を放浪する作家兼冒険者のエクリヴァンさんに来ていただきました!
当企画は「公私関係ないので緊張せずまったりと」ということをモットーとしていますが、 今回は両者初対面ということで、初対面で緊張感なくできるか?と不安を持っていましたが、全く問題ありませんでした
第2回も楽しみください!

エクリヴァン「さてまず初めまして地獄の王よ、エクリヴァンでございます。 何故ワタシが呼ばれたのかな?遂にお迎えが来たのかな?」

閻魔もエクリヴァンさんも初対面なので、まず簡単に自己紹介と企画の内容とを行いました。 エクリヴァンさんは口調こそ癖はあるものの物腰・表情共に穏やかそうな方でした。
しかしどことなく感じる「このひと人の話聞かなさそう……!」というオーラ! 案の定その予感は的中します。

職業について

エクリヴァン「ワタシの名前は異国の言葉で”文学を書く人”から来ていてね。名の通り 作家だよ。」

閻魔「へぇ……あれ、ってことはあんたもしかして偽名?」

エクリヴァン「ペンネームという奴だね。その通り。ふつうに名乗るよりも雰囲気ないかい? それに貴公だって職業と名前は同じだろう?偽名同士仲良くしようじゃないか。」

閻魔「あまり嬉しくない繋がりだな……。 ところで作家?ってことは本出してるのか?」

エクリヴァン「出してない。身内限定だ。身もふたもない噂や的外れなクレーム来て文筆活動に支障が来たら嫌だからね。」

閻魔「えーっと、もしかして収入ゼロか?……聞いちゃいけないかもしれないけど、どうやって食って生きてるんだ?」

エクリヴァン「心優しい宿屋の厚意で。厚意には甘んじないとね。」

閻魔「ヒモかよ。」

エクリヴァン「ヒモと一緒にしないでいただきたい!こちらは彼らに金銭以上の娯楽を提供してるつもりだからね! それに彼らの温かい人柄と食事で以前に比べて心身ともに安定してきている、感謝だね。」

「お近づきのしるしに読んでみてもいいんだよ?」
「今はいいや」

閻魔「ところであんた文章書く以外何してるんだ?知り合いに翻訳やってる奴いるけど、そいつは趣味でやってるようなもんだし 専業とは多分違うだろ?」

知り合いに翻訳やってる奴
骨像のこと。

エクリヴァン「散歩したり、寝たり?結構精神すり減らされるからね。あと最近は宿の娘の作るスイーツが美味しい!」

閻魔「手伝いとかはしないんだな……。」

エクリヴァン「しないが、何で?」

閻魔「タダで衣食住と生活を保障されてるから少しくらい働いてもいいんじゃねーかな…と思ってさ……。」

エクリヴァン「そんなことしたら精神病んでしまう!!ようやく精神安定してきたのに! ほら、宿屋の方々も『ゆっくりしていってくれ』と言っていたし、言葉に甘えてゆっくりするのが義理じゃないのかな!」

閻魔「ま、まぁそうだけどさ!?」

エクリヴァン「働かなくてはいけない!わかってるが、働きたくない!
あぁもう、貴公と話してると自らの愚かさを暴かれているように感じて辛くなってくる!! まるで罪を責められているようだ!こういう責苦は人生初だ……。 流石地獄の王と言うべきか、人の愚劣さや浅はかさを指摘するのが非常に上手い……。 あぁ全くだ、どうしてワタシはこうも駄目なんだ……死にたい……刃物はどこにある!? いや死んではダメだ……注射は?酒でも良い、どこにあった!? 」

閻魔「あー……、すまん、そこまで傷つけるつもりはなかったんだ。」

エクリヴァン「いや、ちょっと待て……これが罪を詰られる者の感覚か? ……!これだ!!今の作品に足りなかったのは責苦だ! 今なら続きが書けるかもしれない!書ける、書ける!書きたい!!」

閻魔(こいつメチャクチャ喜怒哀楽激しいな……。)

落ち着くまで少し時間かかりました。

作品ジャンルについて

閻魔「読む前に聞くのも失礼かもしれないけど、あんたどういう作品書いてるんだ?」

エクリヴァン「何でも書くよ? 終わらない悪夢のような絶望でも胸のすくような成功話も、 胸焼けするような甘い青春ものだって書くし、逆に寝取りと略奪ばかりの不倫話だって書く。 あぁあと御伽噺のような冒険譚を書くこともあるし……。意外だろう?」

閻魔「さっきの錯乱見てると陰鬱な事ばかり書いてるかと……。」

エクリヴァン「御伽噺書いてる奴が純粋とは限らないからね。 とにかく、身内の需要とワタシの興味にあえば何でも。 ワタシ自体は恋愛話はクソくらえだが、どうもフォクシセでは恋愛話のほうが悲惨よりも需要があるみたいでね。 柄ではないが、身内に求められてワタシのことで喜んでもらえるならやるとも。」

閻魔「作家というか、一見さんお断りの一部の人間御用達のエンターテイナーってところか?」

エクリヴァン「あぁ、素晴らしい例えをありがとう!
あ、でももちろん自己満足でも書いてるよ。需要にばかり応えていたらまた病んでしまう。 自分の欲求は自分の趣味作品で終わらせて、誰かのための作品は想定する読者が最も喜ぶものを書く、 読み手のためなら自分の好き嫌いは二の次――がワタシのモットーでね。まぁそれなりに精神には来るが……。」

閻魔「へぇ、最初は一人で騒がしい奴とかヒモ野郎と思ってたけど案外まともなやつじゃねーか。 ごめんな、勘違いしてたわ。」

エクリヴァン「それに、ある程度評判上げておかないと憐憫や同情を買えない。」

閻魔「……真面目なのかクズなのかわからんな。」

エクリヴァンさん、遠方リュッケフロントからありがとうございました!
なお、今回はエクリヴァンさんのご厚意で一部作品の原稿を魔界・中央図書館に寄贈していただきました。
「多くの大衆に偶然見られるということは望んでいない」というエクリヴァンさんの要望から、 閉架として管理しておりますので、閲覧したい方は閲覧の申請をお願いします。

次回更新は4月8日を予定しています。

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