第3回

  • 更新日 : 2018/04/08

※軽度の流血描写あり

※今回も筆者のコメントが殆どないです……。
Hako-News.特別企画第3回目は閻魔とも親交が深く、幻魔さん(第1回ゲスト)の従者にあたる骨像家当主にお越しいただきました! ……のはずが少々予想外なことが起こりました。

???「十王様。この度はお目にかかれて光栄です。」



閻魔「失礼ながら……誰ですか?」

???「あぁ、ごめんなさい。『骨像家の現在の当主が来る』と聞いていたのに私が急に来てしまっては混乱しますよね。 はじめまして閻魔王、私は骨像家当主の六代目にあたる者です。輪廻の果てより参りました。」

六代目について

閻魔「六代目……っていうと既に故人ってことはわかるんだが、何で今ここにいるんだ?」

六代目「今の骨像さんが降霊術の魔術書を最近発見したらしく、試しに実験してみたら私が呼び出されたのです。 で、私が今その骨像さんの肉体に憑依していて、外見は魔術でいじっているわけです。 しかし憑依と言っても骨像さんの意志は生きていますので、私だけの意思で変な真似はできませんがね。」

閻魔「へぇ……ん?骨像って外見変える魔術持ってたのか?」

六代目「彼が外見変化の手段を持っているかについては存じませんが、”私は”錬金術の応用で行なっています。 もし私の生前に行っていた政策が成功していれば、錬金術は今やもう禁忌な魔術となっている筈なので想像に苦しまれるかと。」

閻魔「いや、錬金術についての大まかな概要と中身は骨像から聞いてるし、どんな魔術かも見せてもらってる。 色々あって骨像家に魔術書が封印されたんだっけ?」

六代目「御名答……ですが、…… ……そうですか。錬金術がまた……。 しかし、どなたがそんなことを?」

閻魔「皇帝権限だろうな。あと内務の奴らも許可出したらしいぞ。」

六代目「……馬鹿な。いや、時代も変わったものですね。」



閻魔「ところであんた、政策とか言ってたけどもしかして政治関係に関わってたのか?」

六代目「ふふっ、これでも一応財務卿です。 魔族滅亡により身分秩序が大きく崩れたために財政も乱れていましてね。 秩序と財政の混乱を治めることに奔走していました。後は時の宰相様の補佐。 ……ま、最終的には仲違いして処刑まで追い込まれてしまいましたが。」

閻魔「へー結構な身分だ……処刑!?

六代目「もう少し具体的に言うなら斬首。執行は7月28日。 ……もちろん断頭台での光景は忘れませんよ。栄華を極めた骨像家の、しかも政府の重役が処刑されるのですから 普段の処刑よりも観衆も格段に多かったですし。執行人が刑を執行する時の表情とか、最期に話した言葉とか……。
湿っぽくなりましたね。申し訳ありません。」

7月28日
六代目が言ってるのは旧暦。現在の暦に直すと9月7日。

閻魔「いや、俺は全然いいんだけど……処刑か……。」

六代目「驚きでしょう? あと誤解しないで頂きたいのですが、私を処刑まで追い込んだ宰相様のことは微塵も恨んではいないですよ。 むしろ会えるなら再び会いたいくらい……。あの人は嫌がりそうですがね。」

「傷痕はこんな感じ。」
「何で再現したんだよ……。」

何世紀後の魔界を見て + 骨像家のこと

閻魔「魔族滅亡後ってことはだいぶ昔の時代の人だけど、今の魔界を見て何か思ったか?」

魔族滅亡
大体3000年くらい前

六代目「まず骨像家が存続していたことに愕然としました。そしてその当主が錬金術の研究をしていること。 更に聞いてみれば現在の当主結構な地位の方なんですね。」

閻魔「なんだか骨像家は滅んでいたみたいな口ぶりだな。まぁ3000年も続くとは思わないよな。」

六代目「えぇ、私が骨像家の最後となると思っていましたのでね。どこで生き残っていたのやら。」

閻魔「……はい?」

六代目「ですから、私が最後の骨像家当主になる予定だったのです。そうして歴史の陰に隠れるとばかり……。」

閻魔「ちょっと待て待て他の奴らどうした。」

六代目「権力争い、後継者争いの最中に亡くなりましたね。あと、私が生涯独身だったため子孫もなく……。 あぁ、もう隠さず言いましょう、私が殺したんです。兄弟は後継者争いという名目で殺害。 父母は病死を装い毒殺。その他親族も色々と。」

閻魔「お、おう……。」

六代目「……意外と驚かないんですね。」

閻魔「まぁな。
こちとら知り合いに件数万超えの魔界出身シリアルキラーがいるんでね。殺人くらいじゃそこまで。 あと魔界だから権力争いによる暗殺くらいあるかと思ってな。」

件数万超えの魔界出身シリアルキラー
幻魔のこと。

六代目「相変わらず魔界の治安は悪いですね(笑)
ただ、本当に私は骨像家を終わらせたかったんですよね。」

閻魔「ふつう自分の血筋を終わらせたいっていう奴はあまりいねぇぞ。何か意図でもあるのか?」

六代目「意図……。骨像家の存在を歴史上に遺したくなかっただけです。 むしろ、宰相様の記憶に骨像家のこと……というよりも私のことを鮮明に遺したかっただけと言ったほうが正しいでしょうか。 ”一人の財務卿を処刑した”というよりも、”自分がその一族を終わらせた”っていうほうが記憶に遺りやすいでしょう?」

閻魔「ま、まぁそうだけど……。
はぁ、仲違いするわ首飛ぶわ、恨んでないだのなんだの。お前とその宰相さんの関係は謎だな。 あと、最初のほうから思ってたけどお前その宰相が今でも生きているみたい言い方で……。」

六代目「謎で構いませんよ。
それと、その宰相ですが今なお生きてますよ。生きてますとも。
……生憎ながら、これ以上貴方にお話するつもりは私にはありません。 気になるようでしたらヴァルガさんに聞いてみれば大凡わかりますよ。ま、ヴァルガさんに話せるほどの冷静さがあれば、の話ですがね?」

次回更新は4月11日を予定しています。

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