第7回

  • 更新日 : 2018/04/25

残り2回となりましたエイプリルフール特別企画!第7回は前回があって急遽延期になった回ですが……

ヴァルガ「まず、こちらの事情で延期を願い出た事を詫びさせていただきたい。 で、話とは……?」

前回があれだったのに、あれだったのに今回のゲストはヴァルガさんです。
もちろん当の本人は前回のことなんて知りません。
完全に公的な事だと思ってきている様子なので、ここで企画の概要を話したところ、 拍子抜けしたような表情で聞いていました。

ヴァルガ「……ったく、それなら別な心構えで来たのに。 考えてみれば骨像経由の時点で違和感を持つべきだった。」

閻魔「いやぁすまん。ドッキリみたいなことして。そんな事より一言言わせて。
あんた本当運がないよな!!

ヴァルガ「?」

そんなこんなで第7回、スタートです。

魔界について

閻魔「堅苦しい話はしないつもりだったけどさ、長く魔界と関わってきてるだろ? 長い間身を置いていてどう思ってるんだ?」

ヴァルガ「どうって……、難しいな。魔界の歴史全体を俯瞰的に見ようと思っていなかった。 ただ、十王も同じだとは思うが気を休める場所や時間がないという感覚は昔からある。」

閻魔「それについては骨像も時々言ってるな。『階級社会で隙を見せるな』ってヤツだろ? 十王だって同じようなもんだわ。ま、俺の場合俺のポジションが罰ゲームすぎて狙う奴いないだけあって、呑気でやってるけどさ。」

ヴァルガ「貴方の立場の不遇さは俺も知っている。ただでさえ厄介事が多いうえに、 冥界在住の者やら魔族やら、とんだ変人に好かれる立場なんぞ誰が変わりたいと思うか。」

閻魔「(身内がヤバいはお前も同じだろ……。)
でも、あんただって長年高い地位にいれば厄介なやつにも捕まった事あるんじゃないの。」

ヴァルガ「貴方ほどではない。」

※第三者からすればどちらも同レベルです。

ヴァルガ「では逆にこちらから聞くが、仮に貴方の立場が大ハズレのもので誰もその地位を望まないとしても、 恨みを買い貴方を殺そうと考える者くらいはいる筈。そういう輩から身を守る努力とかは……。」

閻魔「残念ながら努力はしてない。勘だよ勘。殺気放ってる奴くらい見ればわかるっしょ。 落ち着いてるときとキレてるときの幻魔くらいの差あるもんじゃね。」

ヴァルガ「あれ――じゃなくてあの方は少々分かりやすすぎるのでは。 幻魔様の御機嫌なら俺だって分かるが、そんなにわかりやすいものか?」

閻魔「い、いや、俺が相手する地獄の奴らって失うものないからわかりやすいだけかも……。 魔界は謀略や隠し事が上手な連中多そうだからな……。」

公的な場面での会話が圧倒的に多い相手だけあってか内容が今まででダントツに硬い……! あと閻魔としても、前回のことがあってやりにくそうです。
「(話のネタとしても)ヴァルガの過去について聞き出して来て」という上の命令を何とか遂行しようとしてる閻魔の努力が感じられます。

自身について

閻魔「あんたの出身って貴族階級じゃないって噂あるけどあれって本当?」

ヴァルガ「本当だが。」

閻魔「マジかよ。えっと、貴族階級じゃない奴が今のあんたの階位までのぼるのって難しくないか? というか何で政治方面に進もうと思ったんだ?」

ヴァルガ「……っ、当時のスラム街は散々な有様だった。貴族階級の人間がスラムの環境改善に目を向けるとは考え難いだろ。まずそれが1つ。 とは言えどスラム街の分際で貴族に相手される筈がないが、幸運にも貴族階級の人間に才能を買われていたから、 そのツテで貴族階級の世界に進出できた……という具合か。」

閻魔「(やっぱぼかされた……。)
ってことはスラム出身だけど貴族階級に仕えていたという事か。……あまり聞かないパターンだな。 もちろんあんたにだって親類はいたはずだが、スラム出身が貴族社会に入った場合そいつらはどうなるんだ?」

ヴァルガ「……随分俺のこと尋ねてくるな。貴方は裁く対象以外の過去には興味を持たないと思っていたのだが。」

閻魔「ば、ばれた?ま、企画だから許してくれよな。あんたのこと聞いてきてってヤバい奴から脅されてるからさ。」

ヤバい奴
もしかして:りちる

ヴァルガ「はぁ、俺は売り物か。
確かに今ではあまり聞かない事例だが、使用人を雇えない下級貴族がスラム出身の子供を奴隷として酷使する事例は普通にあった。 だが、恐れ多くも才能を買ってくださった貴族がもの好きだったのか、俺の待遇はスラム出身としては破格だったが。 で、スラム出身が貴族社会に入った場合、か。生き別れだ。」

閻魔「やっぱりそうなっちゃうんだな。」

ヴァルガ「魔界において身分の格差は容易に乗り越えられるものではない。 ただでさえ卑しい身分の人間が貴族社会に入っただけでも異常な事なのに家族も貴族階級に格上げなんて不可能だ。
俺自身覚悟はしていたが、親類には恐らく恨まれただろうな……。」

結局言っちゃいました

閻魔「実を言うとさ、延期した日あったじゃん。あの日俺魔族の幽霊に出会ってさ、 その魔族とあんたの思い出みたいなの少し知っちゃったんだよ。」

ヴァルガ「…………魔族の……?」

閻魔「あぁ、魔族の。たぶんあんたの想像してる相手で合ってると思う。」

ヴァルガ「……何故?あの方はもう何千年も前に亡くなっている。幽霊として姿を現されるには時間が経ちすぎだ。」

閻魔「それは俺もおかしいと思った。しかも魔界ではなく地獄で。
まぁともかく、その様子だとやっぱり何かあったみたいだな。」

ヴァルガ「違う!あの方とは何も……。」

閻魔「(上の命令だししかたなく聞いたけど、やっぱり地雷案件だなこりゃ。)
いや、ないならないでいいんだけどさ。あんたが言ったように俺はこういう類に興味がないから。」

ヴァルガ「あぁ、何もなかったよ。
いや、身分が違ったから恋人にはなれないんです。」

骨像さん曰く「魔族についての文書が何故か魔界では少ない」。
2人の実際の関係はヴァルガさんが話さない限りは永遠に闇の中か……?

次回は最終回です!公開は4月27日を予定しています。

バックナンバー

シェアする